OSS奨励賞って何?
先月末にIPAから、OSS奨励賞の募集が開始されている。
これまで4年にわたって行われてきたOSS貢献者賞が、密かに(?)バージョンアップしている。このバージョンアップには、わたしも一枚かんだと認識しているので、ちょっと触れておきたい。
プレスには、
日本OSS奨励賞 OSSの開発、普及において、この1年間に特に優れた成果を出した、 あるいは活動した個人ないしはグループが対象です。
とある。キーワードは、この一年間にと、ないしはグループが対象になるのではないか。
学会などで、奨励賞というと、たとえば、応用物理学会の規定をみると、”33歳以下”としっかりかいてあるように、重鎮はだめよ、ということになっている。
IPAの募集では明確に書いていないが、この一年間だけを注目して表彰するわけだから、裏返せば”長年の貢献とかは見ないよ”という意味あいになるはずだ。ならば、若手だったり、最近から活躍した人や、新プロジェクトなどのグループには大いにチャンスだ。
また、OSS貢献者賞では、対象が個人で毎年4名が表彰されてきている。おそらく多くの方がよく知っていた方々が表彰されてきているとおもう。グループに対象が広がっている奨励賞では、こんな方がいたのか!とか、こんなプロジェクトがあったのか、という発見を、多くの方ができることを期待したい。
いよいよ、来週が〆切になっているが、こういう賞では、最後の一週間に駆け込み応募が多いみたいだ。なので、今からでも遅くないから、そんな方やグループを推薦されるとよいとおもう。
オープンソースのカンファレンスで、「おっ!、結構面白いことやっているなぁ」、とおもったプロジェクトを推薦するのはどうだろうか。あと、ユーザさんで、うまく使いこなそうとされていて、他の方々が大いに参考にしたらいいなぁ、とおもったら、それも候補だ。
何年か前に、OSSの賞が,人材の厚みをふやせるか? という記事を上程させていただいた。
このときには、
この賞の主眼は,「『OSSのグローバルなコラボレーションで存在感を示している開発者』を探しだし,情報技術に興味のある一般の方やIT技術者としてエントリーしたばかりの方にも露出する形で,表彰してしまおう」というものです。こう言うとなんだか堅苦しそうですが,わかりやすく言えば「こういう技術者・開発者になりたい!私もなれるかも!」という目標になればいいな,ということです。
と書いた。この趣旨は、一切変わっていないとおもうのだが、開発者を探しだしというところが、これまでは、あまりうまくいっているとは言えなかったかもしれない。だから、「探し出す」気持ちが、奨励賞に込められるようになればいいな、と感じている。これは、みんなが若手を推薦し、そしてみんながその活動を発見できることができれば、気持ちが込められたことになるんだと思う。