15年前のOSSとOSM
15年前(つまり1993年の)ソフトウエアの話ではない。たしかに、NetscapeやInternet Explorerのベースとなった最初のWebブラウザMosaicは1993年1月にはUNIXのX Window向けのアルファ版が公開されたのは間違いない。
わたしは、そのときSun3上のSun OSのX Window systemで動くMosaic browserで出身大学の研究室紹介を見た経験がある。
あれから、15年後の今、1994年にMarc Andresenにより設立され開発され、一世を風靡したNetscapeブラウザは、サポートの休止を宣言するまでになっている。(時代は過ぎた)
アルファ版だったNetscape5ブラウザが、1998年にOSSライセンスで公開され(のちにMozilla Firefoxとなるが)る際に、OSSという言葉が発明された。
いま、あついのは、OSMである。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20314487,00.htm
OSM日本語メインページ
これは、2004年に活動を開始したOpenで自由なGeoData(地理データ)を蓄積、提供するプロジェクトである(現在のライセンスはLessing先生が提唱したCreative CommonsのCC-by-SA-1.0ライセンス)。
プロジェクト参加メンバーは、ライセンスが適切な衛星写真、測量データをベースとして地図を作製する。日本のように、自由な地図が存在しない国を含め世界中の参加者は、GPSを片手に、GPSが表示、記録する緯度経度情報をもとにして、地図を創る。
そう、メンバーは、町歩きをしながら、地図を創るのである。
では、このプロジェクトの何が面白いのか。
それは、15年前にOSS(当時はOSSという言葉無かった)があったのと同じソフトウエアにおける状況に、GeoDataが置かれている、ということだ。
MashUpすること、それはGoogle Mapでも可能だろう。15年前でも、Sun OSの上でフリーなソフトウエアは流通していた。でも、Linuxが現れた(1992)。
なにが違ったのか。ソフトウエアを自由に進歩させられることだった。GeoDataは(OSS的には)進歩しない。Google Mapにある地図が誤っていたり、より良い表現があっても、我々やユーザが改変できない。forkできない。OSMには、その自由がある。地域の発展とともに地図データも進歩できるのである。
これは、これから15年後の地理データのあり方に革命をもたらすであろうし、そもそも「データ」とはどうあるべきか、を変革すると思うのである。OSMはただの酔狂な奴らのくだらない遊びにおわらない可能性を、考えてもいいのではないだろうか。
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