OSC2005-Fallの出張読書会では、塚本さんが、CPUアーキテクチャの紹介をComputer Architecture: A Quantitative Approachの第2版に基づいてされた。本書の第3版では、Pentium4やIteniumなどの最新技術やパフォーマンスについて触れられている。
個別具体的なCPUの内部構造については、 Modern Microprocessor 3rd edition (V.Korneev/A. Kiselev, Computer Engineering Series, 2004, Charles River Media) を読むのがお勧めである。作者がロシア人ということもあり、平易な英語で書かれている。図表が多く、楽しめるのではないだろうか。
本書には、AMD, Alpha, IBM, NexGen, Intel, SPARC, TI, Motorola, Analog Devices, MIPSなどのプロセッサが取り上げられ、Intelのアーキテクチャだけでも、Pentium, Pentium MMX, Pentium Pro, Pentium II, Pentium III, Pentium 4, Pentium M, IA-64, NexGen, AMD K5, AMD K6, K6-II, K7, AMD Hammer, Cyrix 5x86, 6x86, 6x86MX, IDT winchip, whinchip2, VIA CYRIX III, Transmetaがダイアグラムとともに解説されている。 ほかにも、DSPやNeuroprocessorにも言及するという意欲作である。
どちらかを読めばいいというものではない。後者は、具体的な紹介が特徴であり、過去にどのような経緯をたどったかを確認するのに向いている。補完的に利用するのがよいだろう。理論的な背景を学び使える力にするには、前者をテキストとしたい。